1.はじめに
この記事は Pokémon Past Generation Advent Calendar 2024 の25日目の記事です。アドベントカレンダー本編も今日で最終日です。夜綱さんも執筆者の皆さんもお疲れ様でした。
ポケモン3世代の自動化は、2023年12月から驚異的なスピードでプログラムが開発され、それに伴い、多くの方が導入を進めるようになりました。
3世代は乱数調整において1F(1/60秒)単位の精密な操作が求められるものが多く、手動ではやや難易度が高いです。また、育成にかかるコストも後続世代に比べて基本的に大きく、更には自動化でしか成功報告のない乱数調整も存在します。これらの理由から、自動化の利点は非常に大きいと言えます。
発展が進むのは喜ばしいことですが、情報を追いきれない方や、自動化関連の問い合わせをされる方も増えてきた印象があります。そこで、本記事ではGC自動化の導入方法や既存のプログラムについて整理し、3世代で自動化を活用するための情報を共有したいと考えています。情報量はかなり多いですが、特にこれから導入を考えているという方におかれましては、ぜひ最後までお付き合いください。
※ 本記事は随時更新し、最新情報を反映させていきます。
2.自動化の導入方法
現在の3世代自動化では「Poke-Controller」と「Nx Macro Controller」という2つの自動化ツール向けプログラムが主流です。これらのツールは画像認識を使った処理など、高度な処理に対応しているので、まずはこの2つのツールを使って、自動化プログラムを動かすことを目標としましょう。正直そこまで難易度は高くありません。
ツールの解説や、自動化プログラム紹介の前に、まずは自動化の導入方法を紹介します。導入方法は過去の記事でまとめられているので、本記事ではその内容を基に説明を進めていきます。
GC自動化の導入
自動化の導入については以下の記事でまとめられています。
ざっくり説明すると、「Raspberry Pi Pico」というマイコンボードに専用ファームウェアを書き込み、PCとGCに配線することで、PCからの信号をGCコントローラーの入力として扱えるようになります。
※ 記事では言及されていませんが、はんだ済みのLANコネクタDIP化キットを買えば、はんだ関連の作業が不要になり、さらに安く簡単に導入できます。
こちらの記事では「Poke-Controller」の導入を主軸に書かれていますが、「Nx Macro Controller」、「ORCA GC Controller」、「DOL Macro Controller」というGC自動化で使われている他のツールでも動かすことができます。
ただし、キャプチャーボードについては、上記の記事で紹介されている「USB3.0 Capture」をそのまま使うと、「Nx Macro Controller」で自動化する場合、既存のプログラムの画像認識で不具合が起きます。
そのため、キャプチャーボードの選定については次の記事を参考にして下さい。こちらの記事では「Nx Macro Controller」の導入や、LINE Notifyの使い方(プログラムからLINE通知する機能)、OBS-Cameraでの解像度調整方法なども書かれています。導入に関してはこの2つの記事を見ておけば大体理解できると思います。
「結局キャプチャーボードは何を使えばいいの?」と思った方に説明すると、値段だけで判断するなら、「Nx Macro Controller」なら「GV-USB2」、「Poke-Controller」なら「USB3.0 Capture」が良いです。
ただし、Nx Macro ControllerでUSB3.0 Captureを取り込むと、映像が 720×480 から 1920×1080 に引き延ばされ、Poke-ControllerでGV-USB2だと、そもそも映像が取り込めません。
両方で問題なく使えるキャプチャーボードは現状だと、GC551とGV-USB3(HDSのみ?)くらいしか情報がありません。個人的にはPoke-ControllerのプログラムはOBS-Camera経由で動くものも多いので、安く済ませるならGV-USB2でも良いかなとも思います。Poke-ControllerでもOBS-Cameraを介すことで、GV-USB2でも映像を取り込むことができます。コンバーター&USB3.0 Captureを買うよりも安く、Nx Macro Controllerの既存プログラムもしっかり動作します。
両方のツールでも直接映像を取り込めて、Nx Macro Controllerでも 720×480 で取り込める安価なキャプチャーボードがあれば是非とも情報を下さい。
Wii/WiiU自動化の導入
Wii/WiiU自動化の導入についても紹介しておきます。GCだけ自動化出来れば良いという方は読み飛ばして構いません。
どうやって自動化するのかというと、「GCコンの入力をWiiリモコンに変換」または「無線チップを搭載したマイコンに専用ファームウェアを導入」することで、Wii/WiiUでも自動化することができます。
GCよりも安く機材を用意できる反面、Co/XDとポケモンボックスでしか動かすことができず、操作性もGCより劣っています。ですが、今後Wiiで自動化したいプログラムがある方は導入しても良いと思います。各自のニーズに合わせて検討しましょう。
GC to Wiiの変換アダプタを使う
こちらはGCコンの入力をWiiリモコンの入力に変換するやり方です。やってることは通常のGC自動化を導入後に、「GameCube Controller Adapter for Wii & Wii U」を使ってWii用の信号に変換するだけです。(↓参考記事)
nthaka-wiimoteを使う
Raspberry Pi Pico Wに「nthaka-wiimote」を書き込むことで、Wiiリモコンとして認識させることもできます。こちらは「Poke-Controller」、「Nx Macro Controller」、「ORCA GC Controller」で使用可能です。
Wiiリモコンを充電するには
GCからWiiリモコンに変換できることは分かりましたが、Wiiリモコンは電池で動いているので、自動化とは相性が良くありません。そのため、USB給電できるバッテリーパックを使うのをオススメします。
(と、いいつつもまだ試せてないので、使用感は後で報告します。)
【OSTENT バッテリーパック 3600mAH 充電式 バッテリー 充電ケーブル付き 任天堂 Wii リモートコントローラー対応 (White)】
ファームウェアについて
Jiangtun
自動化導入記事でも紹介されていましたが、もう少しだけ詳しく説明します。「Jiangtun」はメイユールさんが作成したGC自動用の最強ファームウェアです。
こちらを「Raspberry pi pico」または「XIAO RP2040」に書き込むことで、「Poke-Controller」、「Nx Macro Controller」、「ORCA GC Controller」を自動化することができます。
また、古いバージョンのファームウェアであれば「DOL Macro Controller」でも動かすことが可能です。v2.0.0-alphaで「Raspberry pi pico」なら「jiangtun-v2.0.0-alpha-dol-pico.uf2」、「XIAO RP2040」なら「jiangtun-v2.0.0-alpha-dol-xiao-rp2040.uf2」を書き込めばよいです。
ただし、こちらのファームウェアだと「Poke-Controller」では動作しませんので、ご注意ください。「DOL Macro Controller」と「Poke-Controller」は同じファームウェアで動かすことができません。
WHALE
現在、使われている自動化のファームウェアは前述の「Jiangtun」が一般的ですが、少し前までは みずようかん様が作成した「WHALE」が使われていました。
一応、導入記事を載せておきますが、「WHALE」は画像認識を使った汎用自動化ツールである「Poke-Controller」と「Nx Macro Controller」に対応していません。また、変換モジュールを噛ませているせいなのか分かりませんが、1F合わせの精度も「Jiangtun」を使った場合より低い印象があります。「Jiangtun」だと、しっかり調整すれば体感1F合わせを7~8割程度で合わせられますが、「WHALE」だと±2Fくらいにブレる印象です。
「Jiangtun」が対応していない「XDSeedSorter」という自動化プログラムに対応している強みもありますが、こちらのプログラムはPokeCon版が作られており、今後Nx版も作る予定なので、あまり気にしなくても良いかと思います。
コロシアムでGCをリセットするためには
ポケモンコロシアムは、XDと違ってリセットコマンドがありません。初期Seed厳選の自動化をする場合はリセットが必須なので、これはかなり困ります。
そのため、サーボでGCのリセットボタンを押すか、GCを分解してリセットピンに直接配線する方法などでリセットする必要があります。
上記の導入を行い、Jiangtunを書きこんだマイコンで、HOMEコマンドを使用することで、リセットをすることができます。
サーボを使う
Raspberry pi picoのサーボの配線は前述のジュナリさんの記事に書かれております。(XIAO RP2040でも可能です。)
問題となる固定方法ですが、輪ゴムで固定したり、テープと重しで固定する方法などが採用されているようです。
テープを使わずサーボ固定成功 pic.twitter.com/fXwdE6KEma
— ジュナリ (@junari000) 2024年9月5日
不細工な方法ばかり観測されるので、スマートな固定方法があれば共有していただけると喜びます。個人的にはプラスチック粘土、UVレジンなどが気になっています。敷居は高めですが、3Dプリンタでアタッチメントを作っている方います。
リセットピンに配線する
過去に めらるばさんが販売していたGCMAを買った方はコンパクトに美しく接続することができます。(現在は販売されておりませんが、再販される見通しのようです。)
GCMAは「XIAO RP2040」を使用した小型のGC自動化モジュールで、リセットピンに配線することで、コロシアムもリセットが可能となります。
GCMAでなくとも、XIAO RP2040のD10ピン(未確認)をGC基板のリセットピンに配線することで、リセットすることが可能です。
また、Raspberry pi picoであれば、GP3ピンをリセットピンに配線することで、サーボを使わずにリセットすることもできます。
頂いた情報から
— たかさん (@taka_132454) 2024年9月18日
GP3(オレンジケーブル)とリセットピンの接続でGCのリセット確認出来ました。
リセットはGCMAの時に穴を開けてたので
リセットピンは内部でリセットボタンの基盤付近にハンダしてます。
開けたついでにこのGCはTypeCで起動するようにしてます。
アリエクで4000円ほど
今の所は問題なし pic.twitter.com/mxixtgQPPl
配線は下のポストを参考にして下さい。私はピンバイスで小さな穴をあけた後に、デザインナイフで回しながら穴を拡げました。穴を開けたくないなら、リード線をファンから通せばいいです。
リセットピンはこんな感じでどうでしょうか
— めらるば (@larvesta10) 2024年2月3日
穴の縁は隠れるからデザインナイフでぐりぐりして適当な穴開けただけ pic.twitter.com/zwPYAJReQm
BlueRetroアダプターを使う
少しお高いですが、BlueRetroアダプターをGCに搭載する方法もあります。ボタン同時押しでリセットができる機能が内蔵されているので、サーボやリセットピンへの配線せずにリセットをすることができます。こちらもGCの分解が必須です。
リモートデスクトップを活用しよう
リモートデスクトップを利用することで、スマホなどから、自動化に利用しているPCにアクセスすることができます。プログラムが止まった時に再起動したり、設定を変更して動かす場合に便利です。使い方は調べれば出てくる代物ですので、深くは解説しません。
3.自動化ツールの紹介
3世代自動化では「Poke-Controller」、「Nx Macro Controller」、「ORCA GC Controller」、「DOL Macro Controller」の計4つの自動化ツールが使われています。冒頭にも書きましたが、現在の自動化環境では画像認識や複雑な処理が可能な「Poke-Controller」と「Nx Macro Controller」が使われることが多いです。
「Jiangtun」の登場により上記2つのツールが主流になる前は、「WHALE」を書き込んだ「Arduino micro」で「ORCA GC Controller」、「DOL Macro Controller」が使われておりました。
それぞれのツールの導入やメリット•デメリットについて、紹介したいと思いますが、あくまで個人的な意見ですので、鵜呑みにはしないで下さい。
Poke-Controller
プログラミング言語のPythonを使用し、PCからのシリアル通信でNintendo Switchへ入力を行うことを目的としたツールです。画像認識を使った高度な処理も行うことができます。GC自動化ではグレードアップした「Poke-Controller-Modified」または「Poke-Controller-Modified-Extension」を使用します。(多機能なExtension版がオススメです。)
↓ 導入方法
メリット
・有識者が多いため、知識を共有しやすい。
・開発者のサポートが充実している。
・画像認識など高度な処理が可能。
・解像度が1920×1080に合わせられるので、調整が不要。
・GUI上でキー入力ができる。(Extension版)
・画像認識の範囲を表示できる。(Extension版)
デメリット
・導入が少し難しい(でも前よりだいぶ楽)。
・Pythonで書くので、プログラミング初心者には難しい。
Nx Macro Controller
3世代の自動化で最も使われているツールです(私のせい)。プログラミング言語のC#を使用していますが、通常のマクロ文法は初心者でも扱いやすく、ツールの導入も簡単です。Poke-Controllerと同様に画像認識を使った高度な処理も行うことができます。
↓ ダウンロード先
通常のマクロ文法は書きやすいですが、自由度はPoke-Controllerほど高くないですので、高度な処理を書く場合はC#スクリプトを利用すると良いです。現在の時間軸では未来世代を含めても、C#スクリプトを使って、プログラムを組んでいる人間は2人しか観測されませんので、ご一緒に開拓しましょう。
メリット
・マクロ文法がシンプルで、初心者でも簡単に書ける。
・画像認識など高度な処理が可能。
・UIが美しく、感覚的に使いやすい。
・ヘルプからコマンドの使用方法が確認できる。
・nxcにプログラムに必要なファイルを紐づけできる。
・任意のゲームパットで操作ができる。
・操作記録機能がかなり便利。
・PokemonPRNGなどのライブラリを簡単に扱える。
・実行中のコマンドにフォーカスを合わせれる。
・C#の処理速度が速い。(自動化での影響は小。)
デメリット
・C#スクリプトの有識者があまりにも少ない。
・C#スクリプトを呼び続けると処理が重くなる。
・C#でプログラムを書くコストが比較的大きい。
・解像度を合わせる機能はないので、映像出力環境の影響を受けやすい。
ORCA GC Controller
1年くらい前までは主流だった3世代自動化ツールです。シンプルで初心者でも書きやすく、使い勝手の良いタイマーコマンドが実装されています。画像認識が伴わない自動化を書く際に便利なツールです。
↓ ダウンロード先
↓ マクロ文法はこちらです。丁寧にまとめられています。
↓ スクリプトは以下のうpろだにまとめられています。ORCA GC Controllerにしかないスクリプトも存在しています。
メリット
・初心者でも簡単に書ける。
・タイマーコマンドがかなり便利で、使いやすい。
・シンプルで使いやすい。
・キーボードによる操作が可能。
・WHALEでもJiangtunでも動く。
・うpろだでスクリプトが共有しやすい。
デメリット
・画像認識ができない。
・NxやPokeConに比べるとできることが少ない。
DOL Macro Controller
EmとFRLGのID調整で使われることの多いツールです。Nx版のID調整自動化が作られたことにより、使用者はやや少なくなりましたが、全言語のID調整に対応しているのが強みです。
マクロ文法は簡単なので、海外版のID調整する場合は自分で書くのもアリだと思います。最近ではFRLG FRAのID調整スクリプトが作られています。
↓ ツールの解説
↓ ツールとスクリプトのダウンロード先
メリット
・初心者でも簡単に書ける。
・一部のコマンドがNxと互換がある。
・タイマーコマンドが便利。
・海外版のID調整にも対応。
・解像度が強制的に720×480に合わせれる。
・フレームレートを設定できる。
・GUI上でキー入力ができる。
・WHALEでもJiangtunでも動く。
・うpろだでスクリプトが共有しやすい。
デメリット
・画像認識ができるが、ID調整限定。
・NxやPokeConに比べるとできることが少ない。
4.自動化プログラムの紹介
これまでに作成された3世代の自動化プログラムを紹介します。最近では私が乱数調整の自動化を担当し、ジュナリ神が乱数以外の長大なプログラムを意図せず担当してます。
Discordでしか公開されていないものもありますので、各サーバーの招待URLは次の項目で掲載します。
ルビー・サファイア・エメラルド
Em ID調整自動化
おそらく3世代で最も使われているプログラムです。人力だとTID/SID共に調整するのが、ほぼ不可能と言われているEmのID調整を自動化します。JPN、ENG、FRA、ITA、NOE、ESPの全言語に対応しております。
RS ID調整自動化
RSのID調整自動化で電池待機にも対応させています。こちらも全言語対応です。
Em ストーリー完全自動化
Emのストーリーを完全に自動化し、ポケナビ埋めや、おふれのせきしつ解放まで進めてくれます。Em ID調整との併用も可能です。海外版はENG、ITA、ESPの動作確認は取れています。FRAとNOEも確認される予定です。
RS ストーリー完全自動化
RSのストーリーを完全自動化します。こちらもID調整後に動かすことができます。海外版はENG、FRA、NOEの動作確認は取れています。こちらも海外版のデバッカー募集中です。
RSE 固定・野生乱数自動化
RSEの固定、野生乱数の汎用的なプログラムです。BV利用・電池待機・サファリ・いわくだき乱数、色違い判定や、素早さ判定によるループも可能です。しかし色々とバグが多く、未実装の機能もあるので、今後直す予定です。
RS 絵画あり固定乱数自動化
RSの固定シンボルに対応した絵画あり乱数の自動化です。関数を追加すれば野生にも対応できると思います。こちらもまた改修•デバッグする予定です。
Em 孵化乱数
Emでイタ電を利用した孵化乱数の自動化です。乱数だけではなく、孵化まで自動で行います。差分を自動計算して、消費する機能が便利です。
Em 絵画BVSeed保存自動化
絵画Seed保存を自動化するプログラムです。保存するフレームの指定や、レンタルポケモンからSeedを特定するための工夫や、Seedがズレた場合のケアも盛り込んでいます。
Em 野生努力値振り完全自動化
野生ポケモンを倒して、努力値振りを自動で行います。移動の処理、PP切れ時の処理を少し調整する予定です。
RSE コンテスト周回自動化
RSEでマスターランクを周回して、ゴージャスボールを集めるプログラムです。ついでにマスターランク解放まで自動化する機能もあります。
RS ものひろい乱数自動化
ものひろい乱数で「ふしぎなアメ」と「ポイントアップ」を集めまくる自動化プログラムです。
Em ものひろい乱数自動化
ものひろい乱数自動化のEm版です。こちらはBVありにも対応しているので、とんでもなく効率が良いです。
Em バトルチューブ完全自動化
バトルチューブを完全に自動化してBPを集めるプログラムです。実は筆者のお気に入りです。
RSE きのみ育成自動化
「ふかふかのつち(計87箇所)」を回り、水やり・植付・収穫を自動で行うプログラムです。プログラムの設定が複雑なので、exeファイルで設定できるようにする構想もあります。
その他
・ハートのウロコ回収完全自動化 + 泥棒自動化
・プレミアボール回収自動化
・IDくじ乱数自動化
・なつき度上げ自動化
・ヒンバス釣り自動化
・ポケルス感染乱数自動化
・野生色厳選自動化
・火山灰集め自動化
・トレーナーヒル自動化
・バトルファクトリー自動化
あとは3世代自動化のdiscordサーバーにコンテスト自動化、ナウイおやじ自動化。ORCA GC Controllerのうpろだに絵画サファリ釣り自動化などがあります。
ファイアレッド・リーフグリーン
ID調整自動化
ID調整を自動化するプログラムです。人力ではTIDすら調整できた人間が観測できないため、需要はかなり高いと思っています。現状はJPN、ENG、ESP、ITA、FRAに対応しています。残りはNOEだけです。
ストーリー完全自動化
ストーリーを完全に自動化し、さらにポケモンを60種類集めて、ネットワークマシンまで完成させるプログラムです。海外版はENG、ESP、FRAの動作確認は取れていますので、残りのITA、NOEのデバッカーを募集しています。
固定・野生乱数自動自動化
固定、野生乱数の汎用的なプログラムです。キー入力や、サファリ・釣り・いわくだき乱数、色違い・素早さ判定が通るまでにリトライする機能や、歩きエンカウントも可能です。
初期Seed集め自動化
初期Seed集めを自動化するプログラムです。海外版に全く対応できていないので、近々整備します。フレーム合わせの精度や、連続で同じ初期Seedを引いた場合のケアも実装予定です。
孵化乱数自動化
需要のほとんどないですが、所望する声があったので作成した孵化乱数用のプログラムです。せっかく組んであげたので、早く使って下さい。
アキホおねだり乱数自動化
アキホから要求されるポケモンを乱数調整して、ゴージャスボールを貰いまくるプログラムです。ふしぎなアメや金策にも使えるかもしれません。
他には
・ちいさなキノコ回収完全自動化 + 泥棒自動化
・景品受取自動化
・きんのたま集め自動化
・強化四天王周回自動化
・キー入力調査自動化
なんかがあります。正直、FRLGは作り尽くしたと思っています。
コロシアム
ID調整自動化
初期Seed厳選から消費、ID調整までを自動で行います。IDが合うまでループを続けます。
バトルやま自動化
バトルやまを100人抜きするプログラムです。ポケクーポンやアースリボン集めだけではなく、ホウオウ乱数にも使えます。
後は記事が書かれてませんが、パイラ組とライコウ乱数がORCA GC Controllerうpろだ、初期Seed厳選&消費自動化プログラムが自動化鯖に、リライブ自動化が3世代自動化鯖にあります。
XD
ID調整自動化
初期Seed厳選から消費、ID調整までを完全に自動化するプログラムです。タイトル画面での消費方法がかなり改善されているので、設定変更回数に悩むことはありません。
初期Seed厳選・消費自動化
初期Seed厳選から消費までを自動化するプログラムです。「Jiangtun」では動きませんので、ファームウェア書き換えが面倒な方は、3世代自動化鯖で公開されているPokeCon版もおすすめです。
その他
ポケモンボックス タマゴ受け取り自動化
ポケモンボックスでタマゴ受け取りを自動化します。自動化環境が2台必要です。(現在はプログラムが非公開?)
海外版への対応状況について
ちなみにですが、一部のプログラムは海外版にも対応させる予定です。現在の対応状況と対応見込みはこんな感じです。
海外版のカセットを持っていて、協力していただけるという方がいれば筆者のX(@Nazza_Rella)までご連絡をお願いします。自動化環境を導入しているという方には修正方法をお伝えいたしますので、やり取りしながら海外版に対応させる形になると思います。ストーリー自動化であればプログラムのデバッグのみですが、セーブデータの削除は必要です。
カセットを貸してくれるという方には、初期Seed集めやID調整の代行、努力値基地やラベルの提供、各種カードe+の読み込みなども対応しますので、是非ともご相談下さい。いつぞやのオフ会の配布内容ならだいたい何でも対応できます。その場合は匿名配送でのやり取りを考えています。
※ 2025年1月5日追記
皆さんのおかげで速攻でFRLG NOE以外は対応できることになりました。本当にありがとうございます。Co/XDはこちらが受け入れる体制に入っておりませんので、時期がきたら改めて募集します。また、FRLG初期Seed集めは対応するメリットがあまりないので、無視して良いです。
(↓ いつぞやのオフ会の配布内容)
今後作られそうなプログラム
XDストーリー自動化
現在ジュナリさんが作成中ですが、XDのストーリーはかなり長く、GBAのストーリー自動化より遥かに難易度が高い(マップがタイルではない、ダブルバトルの処理が面倒、ミラーボレーダなどの影響)ので、温かい目で見守りましょう。私も毎日、監視カメラで覗いています。
新生XDSeedSorter
既にXDの初期Seed厳選、消費自動化は作られていますが、タイトル画面での消費経路を改善し、かつXD瞬きにも対応したプログラムを作成する予定です。大半はXD ID調整の流用ですが、瞬きの処理が難しそうです。
CoSeedSorter
ポケモンコロシアムの初期Seed厳選・消費自動化です。こちらも既に りずさんがPokeCon版を作成済みですが、Nx版も作ろうと思っています。
WISHMKR自動化
ジラーチを受け取る直前まで完全自動化するプログラムです。ただ、諸事情で公開しないかもしれません。
コロシアム パイラ組完全自動化
手動では成功報告がないであろうコロシアムのパイラ組乱数自動化です。フレーム合わせだけなら、ORCA版で可能ですが、乱数処理や素早さ判定も盛り込む予定です。
ほかにはORCA版のプログラムをNx版に書き直すことも考えています。バトルファクトリーやFRLG四天王周回、トレーナーヒル周回などが候補です。また、既存のプログラムをOBS-Cameraに対応させたい気持ちもあります。
需要がありそうなプログラム
需要はありそうと思いつつも、組む予定はないプログラムです。興味がある人間がいるなら、担当してみてはいかがでしょうか。
コロシアム ストーリー自動化
後ろからついてくる魚眼女が邪魔です。難しい処理はそこまで必要ないと思いますが、単純な移動と戦闘の無限地獄なので、卓越した忍耐力を持っている方に任せます。私には絶対に書けませんし、書くとしても単純作業を全て押し付けます。
XDリライブ完全自動化
コロシアムと同様にボックス全てのダークポケモンをリライブする自動化があっても良いと思います。アゲトのアレが使えないXDの方が需要が高いですが、処理が難しい部分があるかもしれません。
XDバトルやま自動化
バトル山で100連勝するプログラムです。戦闘と移動の繰り返しで面倒ですが、コロシアムのプログラムをベースに作れると思います。
ポケモン交換自動化
2台同時で自動化を行い、指定の数だけポケモンを入れ替えるプログラムです。図鑑埋めに使います。やはり単純なだけで、難易度はそれほど高くないです。
道具持たせ自動化
ポケモンボックスで、道具を大量輸送する場合に便利だと思います。こちらも単純すぎるプログラムなので、私は組みたくありません。
RS孵化乱数自動化
どう考えてもEm孵化でいいですが、methodズレを意図的に起こすために特定のPIDを持ったタマゴに需要が出てきました。作るなら絵画選択&メニュー開閉しながら歩いて、NPC消費ケアも実装します。FRLG孵化乱数自動化すら使われていないので、2人の変態に使われるまでは組みません(鉄の意志)
こんなところでしょうか。私には乱数調整や、夜綱さんのライブラリを使った自動化を担当させて下さい。単純で組むのがつまらないプログラムは皆さんに押し付けます。
5.自動化のDiscordサーバー
ポケモンの自動化に関するDiscordサーバーの紹介です。自動化で困ったことがあれば何でも質問しちゃって下さい。(でもまずは自分で調べてから質問して下さいね。)
3世代自動化の総合サーバー
ポケモン3世代(最新世代)の自動化プログラムが集約されており、自動化導入の質問や、プログラムのリクエストなんかも受け付けています。3世代自動化で質問があるなら、こちらのサーバーを利用しましょう。
Poke-Controllerのサーバー
Poke-Controllerのサーバーです。ポケモン自動化のサーバーでは最も活発なサーバーで、プログラムの書き方の勉強会なんかもやっているそうです。メインはSwitchで、3世代が話題になることは稀ですが、Poke-Controllerでプログラムを書きたいという方には参考になると思います。
Nx Macro Controllerのサーバー
こちらはNx Macro Controllerのdiscordサーバーです。ぼんじり様の記事の「4)操作方法)」からアクセスして下さい。プログラムの書き方のチュートリアルなんかも用意されております。こちらのサーバーもプログラムを自分で書く方向けです。
6.プログラムが正常に動かない場合の確認事項
3世代自動化鯖や私のDMで似たような質問が目立つので、確認事項をざっとまとめてみます。
配線したけど動かない
⇒ ジュナリさんのGC自動化導入記事を再確認して下さい。多いのは配線ミス、ファームウェアの書き込みができていない、LANコネクタの向きが逆、ツールでCOMポートがうまく選択されていないなどです。
Nxで画像認識ができません
⇒ 解像度が720×480で取り込めていない可能性が高いです。詳しくはNxのGC自動化導入記事にまとめています。導入記事内の画面と比較して、同じように出力できているか確認しましょう。あとは映像がプログレッシブモードになっていない場合は、画面が小刻みに動いているため、画像認識の阻害になっている可能性もあります。また、GC本体設定で映像の位置をズラしている場合も認識がうまくいきません。
PokeConで画像認識ができません
⇒ PokeConは解像度を強制的に1920×1080に引き延ばすので、GC本体設定等で左右に寄っている場合や、映像が拡大されて出力されている場合が多いです。こちらも導入記事の画面と見比べてみましょう。
PokeConで映像が取り込めない
⇒ まず、GV-USB2など、アナログ出力であれば取り込めません。また、報告は多くないですが、HDMIでもPoke-Controllerに直接映像を取り込めない方がいます。その場合はOBS-Cameraを介して接続して下さい。こちらもNxのGC自動化導入記事で解説しています。
OBS-Cameraで動かしたら、挙動がおかしい
⇒ 直接、映像を取り込まず、OBS-Cameraを通した場合は遅延が発生して、画像認識がうまくいかない場合があります。ID調整やストーリー自動化であれば動きますが、多くのプログラムは遅延を考慮していないので、自前で待機時間を増やすなどして調整して下さい。
RSE固定•野生乱数自動化がうまく動かない
⇒ 認知はしています。現状はバグだらけなので、近い内に修正しようとは考えています。他のプログラムも含めて、不具合があるのが分かったまま放置してる私が100%悪いのですが、無償でやってることですので、どうか優しくして下さい…。
海外版には対応しないの?
⇒ 私の現在公開しているプログラムだと、各種ID調整、初期Seed集め自動化を海外版に対応させることを考えています。それ以外に対応予定は今のところありません。
以上を確認しても動かない場合はスクショや動画を添えて、Discordサーバーで連絡いたければ大体は解決できると思います。配線や画像認識関係の不具合だと文だけでは判断し兼ねますのでご注意を。
7.おわりに
この1年間で、ポケモン第3世代の自動化は驚くほど進化し、多くの方がその恩恵を受けられる環境が整いました。私自身もまだ開発したいプログラムがあるので、まだまだ発展は続くと思います。ちゃっかり有言実行もできました!
アドカレが重なるまで続くものなら、3世代のメンドーな作業の大半が自動化されてると思いますよ。(つまり記事書いて〜ってこと。)
— 奈都 (@Natu5307051) 2024年2月25日
3世代自動化鯖とアドベントカレンダーのせいで、まさかこんなにも自動化プログラムを書く羽目になるとは思ってもいませんでしたが、そのおかげで界隈にも多少は貢献できたのかなと思います。
2023年12月1日から1年以上続いたアドベントカレンダーが本日でようやく終わり、ようやく解放されたので、まずは既存プログラムの修正を少しずつ対応していきたいと思います。週1記事以上のペースでの執筆は生活が崩壊するレベルで大変でした…。
でも満足しています。それではまた来年のアドベントカレンダーでもお会いしましょう。