WISHMKR & CHANNELジラーチ乱数完全自動化

1.はじめに

この記事は Pokémon Past Generation Advent Calendar 2025 の 11日目の記事です。

北米版『コロシアム ボーナスディスク(WISHMKR)』、PAL版『Pokémon Channel』で入手できるジラーチにはブロックルーチンがかかっておらず、乱数調整で色違いジラーチを入手することが可能です。

 

私は 5世代以降をほぼプレイしたことがないのであまり詳しくはありませんが、後続の世代であれば、ポケモンセンタートウホクの配布、チャリティーリストバンド特典、Pokémon GO の続行リサーチでも入手自体は可能だったようです。

3世代で入手するメリットは、多数のリボンを付与できるほか、CHANNEL産であれば無補正AS0 といった幅広い個体を狙えることでしょうか。

しかしながら、WISHMKR での乱数調整は 2回のフレーム合わせと細かなチェックサム調整が必要で高難易度です。CHANNELジラーチは適当に光らせるだけであれば簡単ですが、Seed 1点狙いであれば、途方もない初期Seed厳選と消費に苦しめられることになります。

WISHMKR はともかく、CHANNEL は乱数処理が必要なため自動化の難易度は高いですが、需要はそれなりに高いと思いますので、自動化プログラムを組んでみました。WISHMKR は ID調整からポケモン図鑑受け取り後にレポートを書くまで完全自動化し、CHANNEL は初期Seed厳選から消費、受け取り直前までを完全自動化します。

 

2.チェックサム調整自動化

プログラムの入手

プログラムは下記リンクからダウンロードできます。ID調整からポケモン図鑑を受け取って、レポートを書くまで一連の作業をすべて自動化します。

 

GC(GBA)自動化の導入方法はこちらです。

 

ゲーム内での事前準備

GBP の画面設定を「フル」にして、タイトル画面で B + SELECT + 十字キー上 を押下し、セーブデータを完全に削除して下さい。電池切れの海外版RS を使用しないとダメです。

 

NX Macro Controller の設定

NX Macro Controller を開き、変数に目標の値を代入します。初期設定では陽気色ジラーチを狙えるようにしています。

変 数 名 概 要
TrainerName 主人公の名前
Gender 主人公の性別、「"おとこのこ"」 or 「"おんなのこ"」
Frame ID決定フレーム(TN次第だが、5000F 以上が目安)
TID 目標TID(一致するまでリセット)
ClockHand 時計の針:「"0時0分"」 or 「"*時0分"」 or 「"*時1~59分"」
BATTLESTYLE 戦闘スタイル:「"SHIFT"」 or 「"SET"」
SOUND サウンドモード:「"MONO"」 or 「"STEREO"」
TargetTime 目標プレイ時間(11分程度は必要)
TargetTimeOffset 目標プレイ時間のオフセット(F)、指定した数値分を加算

 

WISHMKR ジラーチの乱数ではチェックサムの計算に rschecksum を使いますが、TEXT SPEED / BATTLE SCENE / BUTTON MODE / FRAME は画像の設定で固定してください。TEXT SPEED、BATTLE SCENE は時間短縮のため、BUTTON MODE、FRAME は見つけたポケモンに対応して、設定変更することでチェックサムを同じ値にするための処置です。

 

プログラムの実行

準備ができたらプログラムを実行します。TID 以外の画像はプログラム自体が勝手に取得してくれます。うまく保存できればこんな感じです。

プレイ時間は暗転回数によって左右されるため、余分にくさむらを歩いて、野生ポケモンとの戦闘回数を 4回に調整しています。もし、5回以上戦闘に入ってしまった場合は 1回ごとに 3F余分に待機します。

 

チェックサム調整が完了したら、ボーナスディスクを起動して、ジラーチを受け取ります。自動化でも数フレームはズレますが、試行回数で殴りましょう。

 

色ジラーチを受け取った際のアーカイブはこちらです。ストーリーの大部分はジュナリさんが作成したプログラムの劣化版パクリです。

 

3.チャンネルジラーチ完全自動化

プログラムの入手

タイトル出現順による初期Seed特定・厳選、高速消費、端数消費まで完全に自動化するプログラムです。CHANNELSeedSorter と命名しています。

ペイント消費は仕様上、自動化向けではないので対応しておりません。

 

こちらのプログラムでは C#スクリプト内で HAT(十字キー)を使用していますが、NX Macro Controller 側のバグで上入力しか正常に動作しないので、下記の Googleドライブから「NxInterface.dll」をダウンロードし、既存のファイルと差し替えて下さい。こちらに差し替えることで、全方向入力可能になります。

 

差し替える dllファイルは NX Macro Controller の実行ファイルと同じフォルダにあります。

 

ゲーム内での事前準備

ジラーチを受け取るためには「しんじつのいせき」のイベントを終わらせ、ストーリーをクリアするのが必須となります。日本版とストーリーは変わりませんので、RTA動画などを参考に進めましょう。

 

周波数は 60Hz にします。キャプチャーボードによっては PAL版の映像取得がうまくいかず、画像認識に失敗する可能性があります。その場合は OBS のクロップ/パッド+ OBS-Camera で調整するか、C#スクリプトの画像認識範囲をすべて書き換え+画像差し替えで柔軟に対応しましょう。

 

また、言語設定は受け取るカセットのリージョンに関わらず英語にしておいて下さい。プログラム側で最後に目的の言語設定に変えるようにしています。

 

CHANNELSeedSorter の設定

ゲームでの準備ができたら、DDJC または PokéFinder で目標Seed を検索し、設定を行います。

NX Macro Controller で「CHANNELSeedSorter.nxc」を開くと、CHANNELSeedSorterフォルダが生成されますので、フォルダ内の「設定.exe」を実行し、目標Seed等を入力します。消費の上限は効率の良い数値に自動計算されますが、プログラムで使用しているレポートチャンネルでの消費が毎秒 64消費程度しかありませんので、長時間待機を強いられます。

タマゴチャンネルの方が消費速度自体は早いですが、待機時間管理の難しさを考慮して、消費が安定しているレポートチャンネルを採用しています。

 

有用そうな目標Seed は CHANNELSeedSorterフォルダ内の「チャンネルジラーチ 個体メモ.xlsx」にまとめています。検索をせず、このリストから目標Seed を持ってきても構いません。

 

プログラムの実行

設定を適用したらプログラムを実行します。消費が終わったら、クリア済みの海外版RS でジラーチを受け取ってください。手持ちに空きがないと受け取れず、受け取り拒否消費が発生して、今までの消費が無駄になりますので、注意して下さい。また、WISHMKR でジラーチを受け取っていると、CHANNEL で受け取ることはできないようです(一敗)

 

正常に動いた場合の動作はこんな感じです。

 

ストーリー自動化と併用すれば、1日1体色違いジラーチの調達も可能だと思います。自動化+PAL版ポケモンチャンネルの環境を用意するハードルは高いですが、初期Seed厳選が苦行すぎるので、挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

明日の記事は開拓神サイファーさんによる「ZAの戦闘関連」です。ざっくりしたタイトルなので、どんな内容か想像できないですが、有用情報が満載であることに違いはないでしょう。