1.はじめに
この記事は Pokémon Past Generation Advent Calendar 2023 の233日目の記事です。
野生ポケモンの中には、道具を所持しているポケモンがおり、「どろぼう」や「ほしがる」、「トリック」で戦闘中に奪うことが可能です。RSEにおいては「ハートのウロコ」が不足することが多く、「ドーブル」の「スケッチ」を思い出す場合や、フロンティア・対戦用個体を用意する際に求められます。
今回は「目標の野生ポケモンと遭遇」→「泥棒技を選択」→「道具を奪った場合は回収」の一連の流れを自動化するプログラムを作成しました。
「ハートのウロコ」はPP回復まで完全自動化しますが、それ以外のアイテムはPPが切れるまで、プログラムが継続します。(全アイテム分の移動を書くのはさすがに地獄です。)
野生ポケモンから奪える道具については、232日目の記事で解説しているので、ぜひ参考にして下さい。
2.オススメの泥棒要員
バタフリー
Em限定となりますが、手持ちの先頭に「ふくがん」を持つポケモンがいると、もちものを持った野生ポケモンが出やすくなり、「50%」→「60%」、「5%」→「20%」まで確率が上昇します。3世代で特性「ふくがん」のポケモンは「バタフリー」、「コンパン」、「ヤンヤンマ」、「ツチニン」の4匹となりますが、「どろぼう」を覚え、更にC個体値が高いのは「バタフリー」となります。所持確率5%のアイテムを狙う場合は、恩恵が大きいですので、Emなら「バタフリー」がオススメです。
イルミーゼ
RSでは「ふくがん」のフィールド効果がないため、単純に泥棒技のPPが多いほうが優位です。泥棒系の技には「どろぼう」、「ほしがる」、「トリック」がありますが、「イルミーゼ」は「どろぼう」と「ほしがる」を覚え、ついでに野生ポケモン遭遇用の「あまいかおり」も自力で習得します。他に「どろぼう」と「ほしがる」を覚えるポケモンは「ドーブル」を除けば、「ポチエナ」、「グラエナ」、「マッスグマ(ジグザグマ)」がいますが、「ポチエナ」は種族値が低く、「グラエナ」は「いかく」で遅延が生じ、「マッスグマ(ジグザグマ)」は「ものひろい」で道具を拾ってくるため、「イルミーゼ」が最適と考えられます。
私が作成したプログラムは「ハートのウロコ」以外はPPを回復せず、PPが切れるまでプログラムを実行するので、無駄な移動やアイテム消費による負担を抑えることができます。
ドーブル
「どろぼう」、「ほしがる」、「あまいかおり」に加えて「トリック」まで習得できます。覚える技は申し分ないのですが、A・C種族値が20しかないため、乱数によってはC特化しても「ラブカス」に耐えられるレベルです。相手ポケモンから「状態異常」を受けた場合や、瀕死にされた場合はプログラムが正常に動作しない場合があるので、RSで相手ポケモンが弱い場合の選択肢になります。
他の選択肢としては、「A特化ほしがるケッキング」や「C特化どろぼうヘルガー」でしょうか。相手を確実に倒しきり、プログラムを安定させたい場合にはアリかなと思います。
3.ハートのウロコ回収完全自動化 + 泥棒自動化プログラム
「ハートのウロコ」狙いの場合は目標数まで、他のアイテムの場合はPPが切れるまで泥棒し続けるプログラムです。
※ Nx Macro Controller用のプログラムで、RS版とEm版を用意しています。GC(GBA)自動化の導入はこちらの記事を参考にしましょう。
ゲームでの準備
プログラムの実行にあたっては、ゲーム側においては以下の準備をして下さい。
・ ゲームボーイプレイヤーの画面設定を「フル」にする。
・ 設定で「はなしの はやさ」を「はやい」にする。
・ 設定で「せんとう エフェクト」を「みない」にする。
・ 先頭に泥棒系の技を覚えたポケモンを配置する。
・ 釣りの場合は「すごいつりざお」を便利ボタンに登録する。
・ 釣り以外は「あまいかおり」を一番上に覚えさせたポケモンを手持ちに入れる。(ポケモンの位置は変数で指定可能です。)
Nx Macro Controllerでの設定
・「Var Targetitem」に狙うアイテムを入力する。 「"ハートのウロコ"」、「"りゅうのウロコ(タッツー)"」、「"あかいカケラ"」、「"その他"」のいずれか。
・「Var Skills」に泥棒技の数を入力する。(例:先頭が「どろぼう」と「ほしがる」を覚えている場合は 2 と入力。)
・「Var FirstSkillPP」に一番上の泥棒技のPPを入力する。
・「Var SecondSkillPP」に二番目の泥棒技のPPを入力する。
・「Var ThirdSkillPP」に三番目の泥棒技のPPを入力する。
・「Var TargetCount」に奪うアイテムの目標数を入力する。
・ 「Var Targetitem」で「"その他"」を選択した場合は、88行目の画像を目標ポケモンのものに変更する。(忘れがちです。)
・ 釣り以外は、「Var SweetScent」にあまいかおりを使うポケモンの位置を入力する。(先頭から数えた順番。「1」から「6」。)
「ハートのウロコ」の場合は「サイユウシティ」のポケモンセンター入口、それ以外は目的のポケモンが出現するフィールドに移動して、プログラムを実行します。
注意点としては、野生ポケモンを倒せなかった場合や、技覚えの動作を保証できないので、Lv100で相手ポケモンを一撃で倒せるようにすることを推奨します。倒せなくても、基本的には逃げてくれますが、状態異常や瀕死になった場合には対応していませんので...。
NXのオプションから、LINE Notifyトークンを設定していれば、目標数に達した際 or PPが切れた際に通知してくれます。
4.おわりに
「ハートのウロコ」回収自動化プログラムはPokeCon版で既に作成されていたため、泥棒自動化に留めておくつもりでしたが、アイテムごとにツールを変えるの面倒だなぁと思い、結局実装してみました。FRLG版も需要が高めな、「ちいさなキノコ」はPP切れても回復できるようにする予定です。